海外での子育て”I love you”問題
香港で暮らすようになって以来、モヤモヤしていることがある。
それは「他の外国人みたいに、子どもに気軽に I love you と言ったり、ハグしたりできない」ということ。
小さな娘にはまだしも、12歳の息子に、今更こっちも恥ずかしくてI love you とか言えない。
でも、電話を切る時や、ちょっとした時に子どもにI love you と言う外国人ママを見ると、いいなぁって思うし、息子も、そう言われる友達を見たらいいなぁって思ってるんじゃないかなって考えてしまう。
でも、息子よ。ここには、大きな文化の違いがあるのだ。
日本は I love you なんて夫婦でも言わない(少なくともうちは)し、日本語訳で「愛してる」「大好き」というのも、なんか重すぎて変。
夏目漱石が I love you を「月がきれいですね」と訳したのは、さすがに遠まわしすぎるとは思うけれど、愛してる を使えなかった感覚はすごくわかる。
そういえば、うちでは夫婦で I love youと言わないと話して、外国人ママにびっくりされたことがある。子どもの前で夫婦がハグしたこともない とか、ありえんのかね。やっぱり。
「今からWhatsapp で、彼(夫)に I love you って送りなさいよ!」
「えー、ぜったい無理!」
「なんで!ほら携帯かして!」
「やだー!」
なんて、キミたち高校生か!みたいなやりとりをして、笑ったことがあったっけ。
とはいえ、話を子どもに戻すと、お母さんに毎日 I love you て言われるって幸せなことだし本人の自己肯定感だってあがるよね。きっと。
今でも子どもが膝の上に乗ってくるとか、ハグしてくるとかいう、息子の友達のママの話を聞いてると、うちって冷たい家庭なのかな って思ってしまうけど。そこまで思っても超えられない壁。ジレンマ。
それでも、親の愛情は伝えなきゃと、ハグができなくても軽くタッチしたり、頭をなでたり、小さなスキンシップはするようにしているのだけど、
すっと身体をのけぞらされたりするので、ちょっと凹む母親です。
その点、小さな娘は思いっきりハグしてきたり I love youと言ってきたりするので、わたしも同じようにできてしまう。彼女は小さい時から香港にいるから、日本人的な「照れ」がないのかな。
と、ここまで書いて、ふと思い出したことがある。あれは大学生のときかな。香港のマンション生活ではあまりないけど、日本では夕方道を歩いていると、ある家の夕食の匂いが漂ってきたり、家の中の会話が漏れ聞こえることがあった。今となっては、それすら懐かしい。ある日、道を歩いていると、子どもの声が聞こえてきた。
「お母さん、だーいすき!」
当時、わたしは学生だったけど「なんかすごく良い家庭だなぁ」って感動したのを覚えてる。なんて幸せな家庭だろうって。そんな家ごまんとあるのだろうけど、私の実家ではそういう会話はなかったし、自分が母親に言ったこともない。
そう、結局わたしは言いたいんです。息子に I love you so much ! って。
なのに、喉の奥でつまって出てこない言葉。照れなのか、なんなのか。でも、思春期がきてややこしくなる前に、やっぱり言いたいな。
というジレンマのお話でした。
今日も良い日をお過ごしください。
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